港街サルバドールより

ブラジル・サルバドールの旧市街

旧市街の高台から下町を見下ろす(サルバドール,ブラジル)

ブラジルのサルバドールという街がとても気に入った。

サルバドールはブラジル北東部の大西洋に突き出た岬の先端に位置する大都市で、16世紀のポルトガル植民地時代につくられたブラジル最初の首都。湾がとても広く、そして内海の波が穏やかな港街。中心から少し離れると、岬に沿っていくつもの白いビーチが続いている。

旧市街のある高台から見渡すサルバドールの港は、空がどこまでも広がっていて、海はいままでに見たことのない濃い青い色をしている。沖には多くの貨物船が錨を下ろし、海からはいつも湿った潮風が吹いている。

サルバドールを含むバイーア州は植民地時代にアフリカから奴隷として連れて来られた人々が多かったところで、街を少し歩くと、他のブラジルの都市とくらべて肌の黒い人の割合がかなり高いことがわかる。

そこら中で音楽がかかっているブラジルの街の中でも、サルバドールに住む人たちは特別に音楽が好きなようで、街中で音楽にあわせて踊っている人がとても多い。音量も特大だ。

この街の人たちは、大都市なのにどこかのんびりしていて、暑いので多くの人たちが道ばたで腰を下ろして雑談している光景や、果物や椰子の実、軽食を売る屋台の多さは南の国を感じさせる。

サルバドールの街並は、数百年前に建てられたであろう欧風の石の建物がいたるところで風化していて、かなり廃れた感じがするが、それが海の風景や強い日差しと合わさると、強い魅力を感じてしまう。治安はかなり悪いけれど。

僕は長崎の小さな島で育ったので、海の見える港街が好きだ。サルバドールの海の潮の匂いは強烈で、僕が育った長崎の島とまったく同じ匂いがする。好きになったのはたぶんそんなところも関係しているのだろう。

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