3/16 – 3/21『ジャシム一家』札幌展

 

3月に札幌で『ジャシム一家』の展示をすることになりました。
昨年の秋に銀座/大阪のニコンサロンでも展示した作品です。

第二の故郷・札幌でついに写真展ができることをとてもうれしく思います。
雪も溶けはじめ春が近づいてくる季節、札幌と北海道の方はぜひご来場ください
会場でお待ちしています。開催前日の3月15日夜にはトークイベントも行います。


写真展『ジャシム一家』
場所: 札幌市教育文化会館ギャラリー http://www.kyobun.org/etc/access.html
期間: 3/16(金) – 3月21(祝・水)

時間:9:00 – 20:00 ※最終日は19:00まで

写真展プレトーク 「ジャシム一家と日本のイスラム社会」
フェアトレード雑貨&レストラン みんたる
住所:札幌市北区北13条西3丁目2-19   http://mintaru.com/2011/

千葉県にで暮らすイスラム教徒でバングラデシュ出身の移民家族、ジャシム一家とそのまわりのムスリムのコミュニティを5年以上撮影してきた田川さん。日本の「イスラム」や「移民」をテーマに撮影を続ける写真家が、撮影した写真スライドとともに、これまでの取材で感じたことや、見てきたことをざっくばらんに話します。

参加費: 一般1000円、学生500円 (ワンドリンク付き)
1時間ほどのトークと、その後に質問タイムを予定しています
イベントの後にはお店で交流会もあります

【写真展ステートメント】

2012年、あるきっかけから日本に住むムスリム(イスラム教徒)のバングラデシュ移民家族と知り合い、親しく付き合うようになりました。父のシクダール・ジャシムさんはバブルの絶頂期に来日し、建設や解体の現場で働いてきた人です。

 ジャシムさんと妻、三女一男の家族は千葉県郊外にある団地で暮らしています。田園が広がるその地域は、水と緑にあふれた母国ベンガルの風景とも似ているせいか、バングラデシュや南アジア出身のムスリムの人々がゆるやかなコミュニティをつくり、中古車などの貿易や建設の仕事をしながら生活しています。
 
ジャシム一家の暮らしには、我々がムスリムに対して連想しがちな、毎日必ず五回熱心に礼拝するような姿はありません。郊外に住む日本人の家族と同じように車で大型スーパーに行って食材を買い込み、自宅でカレーを作って食べた後、Youtubeやテレビを見て過ごす。お盆に団地の公園の夏祭りに出かけ花火を観て夕涼みしたかと思えば、断食月が明けた朝には近郊にある日本家屋を改築したモスクに参拝し、大勢のムスリムと一緒にイスラム歴の祭りを祝う。
 
彼らはイスラムとバングラデシュという二つのアイデンティティを大切にしながらも、日本の言語や文化・風習にも親しみ、ひょうひょうと生きている。私はそのことにかえって移民の生活のリアリティを感じます。
 
彼らと過ごした時間は、想像よりもずっと静かで、淡々と流れていきました。それはたしかに日本でありながらも、どこか知らない場所にいるような、不思議で豊かな時間でした。この国に根を張り伸ばそうとしている彼らは、これからどのような未来を迎えるのでしょうか。いまは期待と少しの心配を胸に抱いています。

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