ISSP参加 8月3日 3日目

午前中は教室で参加者のポートフォリオレビュー。それぞれが15分〜30分をかけて、講師をはじめ参加者からレビューされる。アレッサンドラや他の写真家が写真をどのように見て、どこに反応するのかに注視する。他の参加者が写真についてポンポンと的確なコメントをしていくのに全然ついていけない。英語で話すのは問題ないのだが、英語で「写真のこと」を話した経験がいままであまりない上、彼らの「写真言語」の能力がとても高いのでなかなか会話に入れないのだ。日本で一度だけ写真のワークショップを受けたことがあるが、コメントするのは講師陣ほとんどだった。おまけに参加者の写真はどれもレベルが高く、これから1週間ついていけるのか少し不安になる。

アレッサンドラは、’’Portrait is sacred’’と何度か口にし、ポートレート写真にとても敬意を払っているようだった。また同時に、参加者に’’Play with your subject’’と何度も言い、被写体とのコミュニケーションの大切さを強調する。そして、’’Photography is freedom’’、自由に撮りなさい、人の意見など気にせず、自分が撮りたいものを撮りたいように撮り、今までにないまったく新しいものを作りなさいと言った。

午後は再びバスでクルディガへ。きょうは河の周りに場所を絞ってポートレートを撮影した。夜は夕食後に20時から、ともにマグナムで、パートナーでもあるジム・ゴールドバーグとアレッサンドラがそれぞれ1時間少しずつアーティストトークで話をしてくれた。二人とも、ISSPの参加者のために、自身がどうやって写真を撮り始めたか、そしていままでどのようなプロジェクトに取り組み、写真家としての道を歩いてきたのか、ということをテーマに、スライドショーを交えながら話す。アレッサンドラの代表作、僕も好きな『The Adventure of Guille and Blinda 』というブエノスアイレス郊外の牧場に住む二人の従姉妹を撮ったシリーズを、二人との出会いから現在まで、昔撮ったビデオ映像なども使って詳しく話してくれたのにはとても感動した。写真やビデオの中ではまだ小学生くらいで、楽しそうに動きまわっていた少女たちが、今は子供を持つ立派な母となっていて、なんだかわからないが悲しさがこみ上げてくる。

この日まで夜は寒く、長袖のジャケットを1枚しか持ってこなかったことを後悔。夜にバーで酒を飲んでいると寒くなる。食事の際やバーで飲んでいるときなど、自然にグループができてきているのに気づく。ラトビア人はラトビア人と、ロシア人はロシア人と、フランス人はフランス人同士といったように、欧州でも意外に同じ国の者同士でかたまって話している人たちが多かった。南米勢は、同じスペイン語を話すスペイン人と、また同じラテン系でノリが近く、言葉も非常に似ているイタリア人と仲良くしているのが面白い。毎晩最後までバーに残っているのもこの人たちだった。

ISSP_ラトビア_写真家04

(クルディガ中心部を流れるヴェンタ川)

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