田川基成 写真展 「ジャシム一家」開催

Jashim_018

田川基成 写真展「ジャシム一家」
https://goo.gl/quwMyB

会期 | 2017年8/30(水)- 9/5(火)
開廊 | 10:30 – 18:30
住所 | 東京都中央区銀座7丁目10-1
https://goo.gl/NwL3zz
※9/3(日)は休廊

レセプションパーティー
日付 | 8/30(金)
時間 | 18:30-20:00

-写真展に寄せて-
2012年、あるきっかけから日本に住むムスリム(イスラム教徒)のバングラデシュ移民家族と知り合い、親しく付き合うようになりました。父のシクダール・ジャシムさんはバブルの絶頂期に来日し、建設や解体の現場で働いてきた人です。ジャシムさんと妻、三女一男の家族は千葉県郊外にある団地で暮らしています。田園が広がるその地域は、水と緑にあふれた母国ベンガルの風景とも似ているせいか、バングラデシュや南アジア出身のムスリムの人々がゆるやかなコミュニティをつくり、中古車などの貿易や建設の仕事をしながら暮らしています。
ジャシム一家の生活には、我々がムスリムに対して連想しがちな、毎日必ず五回熱心に礼拝するような姿はありません。郊外に住む日本人の家族と同じように車で大型スーパーに行って食材を買い込み、自宅でカレーを作って食べた後、Youtubeやテレビを見て過ごす。お盆に団地の公園の夏祭りに出かけ花火を観て夕涼みしたかと思えば、断食月が明けた朝には近郊にある日本家屋を改築したモスクに参拝し、大勢のムスリムと一緒にイスラム暦の新年を祝う。彼らはイスラムとバングラデシュという二つのアイデンティティを大切にしながらも、日本の言語や文化・風習にも親しみ、ひょうひょうと生きている。私はそのことにかえって移民の生活のリアリティを感じます。

彼らと過ごした時間は、想像よりもずっと静かで、淡々と流れていきました。それはたしかに日本でありながらも、どこか知らない場所にいるような、不思議で豊かな時間でした。この国に根を張り伸ばそうとしている彼らは、これからどのような未来を迎えるのでしょうか。いまは期待と少しの心配を胸に抱いています。

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