東日本大震災-その0 地震が起きた日

3・11の午後は、東京の飯田橋にあるビルに入った会社の事務所で仕事をしていた。谷底で地盤がゆるい場所に立ち、かなり古い高層マンションの8階だったので地震の際はかなり揺れた。部屋の本棚はほとんど倒れ、まっすぐに立っていられないほどの揺れ。震度6強くらいは出ていたのではないかと思う。余震がある程度おさまったところで、インターネットで地震の情報を確認した
そして震源が東北の沖であることを知り、さらにBBCのサイトでNHKヘリの空撮ライブ映像を見た。画面に映っていたのは 広大な仙台平野を襲う津波。家屋とその残骸を飲み込みながら、自動車よりも遥かに速いスピード で内陸へ向かう黒く巨大な流れに、背筋が凍りつく思いがした。炎上しながら流されている家屋も見える。今まさにこの瞬間、東北では多くの人が濁流に飲み込まれ、車やビル、家屋、街そのものまでが全て洗い流されようとしている。津波は湾が狭くなるほどに高く、そして激しくなる。平坦な仙台平野ですら津波はこの猛威だ。複雑に入り組んだ三陸のリアス式海岸で、津波が何倍にもその猛威を増すことは間違いない。速報では死者8名などという数字が出ているが、死者は軽く数万人を超えるはずだ。ああ、とんでもないことが起こってしまった。

その日は電車が動かなかったので、夕方暗くなる前に徒歩で帰路についた。冷たい風に打たれながらも、非常事態に陥った東京の街の様子を観察し、休み休みゆっくりと自宅に向かって歩いたが、あの衝撃的な津波の映像はいつまで経っても頭から離れなかった。

R0015809
R0015833
R0015848
R0015853

コメントを残す

Required fields are marked *.


CAPTCHA